台帳|運送会社の社員の入社フロー|リサーチ

Summary(S01-06 / UX)

Issue 1乗せてよいかを決める場面に、揃っているかの情報が届いていない
Issue 2初任教育の中身が教える人に依存し、記録が形だけになっている
読み直しの軸
6社のインタビューを
二つの軸で読み直す
軸1画面を使う人の置かれた状況
軸2記録という行為の意味
→ロジポケが入社の場面に入るときに最初に越えるUXの課題は二つ:入力が起きる場所と時間の問題、入力した内容が本人にどう返ってくるかの問題
・どちらも機能があるか無いかではなく、使われるか使われないかを分ける種類の課題
UX課題 1入力が起きる場所と時間
運行管理者は机に向かう時間が無く、その場で記録することを前提にした画面は使われない
UX課題 2入力した内容がどう返ってくるか
正直に記録するほど違反が紙に残って不利になるため、記録を実態に合わせられない
①現場の実態
6社で見えたこと
UX課題 1 入力が起きる場所と時間
生コン雇用契約書はミキサー車のダッシュボードの上。面接はプラントの待機所の長椅子で、呼び出しを待つ20分のあいだに済む
建材配車の電話が鳴るたびに入力が止まり、新人はカウンターで昼まで待たされる
ローリー深夜2時の点呼と荷主の配送指示の合間に、入社の電話を折り返す
夜間納品昼の管理課長と夜の運行管理者は、一冊のノートでしか会わない
担い手記録を持つ人は運行管理者・事務員・配車係に分かれ、社長の妻や夜勤の責任者のように資格も届け出も無い人が実務を回している
UX課題 2 入力した内容がどう返ってくるか
建材座学は5時間か6時間しか行われていないのに、記録簿には15時間になるように日付と時間を割り振る
ローリー荷主の教材を見せたことで法令の座学も済んだことにして、15時間と書く
夜間納品引き継ぎノートの空いた日を前後から推し量って、記録簿を埋める
生コン初任診断を1ヶ月の猶予を過ぎて、冬にまとめて受けさせる
巡回指導通知が来てから、辞めた人の分まで記録を作る会社もある
②読み替え
実態をどう捉え直すか
UX課題 1 入力が起きる場所と時間
・入社の手続きは「書類を揃える仕事」ではない
・細切れの時間に、中断されながら、別々の場所にいる複数の人が少しずつ進める仕事
・その実態に合わない画面は、項目がどれほど正しくても「後でまとめて書く」という今のやり方に負ける
UX課題 2 入力した内容がどう返ってくるか
・どの運行管理者も、実態が決まりに届いていないことを知っている。そのまま書けば違反が残るので、記録を実態に合わせられない
・記録の不備は怠慢ではなく、自己防衛の結果
・記録する行為そのものが「自分の違反を書き残す行為」である限り、どれほど入力しやすい画面でも真実は入らない
矛盾コンプライアンスを掲げて売る製品は、使う側から見れば自分の違反を見えるようにする仕組みに映る
③困りごと
一文にすると
UX課題 1 入力が起きる場所と時間

揃っているかを記録したい瞬間は運転席や点呼台や電話の合間にあり、その瞬間に開ける画面が無いので、記録は月末か巡回指導の前にまとめて埋めるものになり、乗せる前に確かめる材料としては間に合わない

UX課題 2 入力した内容がどう返ってくるか

揃っていないことを正直に入れた瞬間に、それが処分の証拠にしか見えないので入れられない

④なぜロジポケか
この製品で解く理由
UX課題 1 入力が起きる場所と時間
・既に点呼と日報を携帯の画面で扱っている
・運行管理者が運転席や点呼台で開いている画面を、既に持っている
UX課題 2 入力した内容がどう返ってくるか
・今のコンセプトは「監査で指摘を受けない状態にする」
・それを「指摘される前に気づける状態にする、車は止めない」に広げる案がある
・気づける状態とは未了が記録される状態。未了を記録しても使う側が不利にならない設計が、そのコンセプトの前提
⑤設計
画面をどう置くか
UX課題 1 入力が起きる場所と時間
・入社の手続きを別の管理画面として作らない
点呼点呼の画面の中に、新人の未了の項目が出る
配車配車の画面の中に、猶予の残りが色で出る
台帳事務員が台帳に入れた健康診断の受診日が、運行管理者の画面に自動で映る
操作資格の無い人の操作も、誰が行ったかを残したうえで受け入れる
・新しい習慣を足すのではなく、いま開いている画面に欄が一つ増えるだけにする
UX課題 2 入力した内容がどう返ってくるか
・未了を入れた時点で、それを「是正の途中」として扱う
・猶予の残り日数と是正の予定日を一緒に残す
・期限内に済めば、済んだ記録だけが様式に出る
・記録の意味を「違反の証拠」から「是正の経過」に置き換える
⑥条件
設計が守ること
UX課題 1 入力が起きる場所と時間
1中断されても失われず、再開できる
2役割ごとに、自分が確かめる分だけが出る
3横乗り・見極め・独り立ちという現場の言葉で項目が並ぶ
UX課題 2 入力した内容がどう返ってくるか
言葉画面に「未実施」「違反」と出さない
言葉「猶予あと12日」「今週できる」と出す
・入力する側が自分を守るために空欄にする理由を無くす
⑦検証
何で測るか
UX課題 1 入力が起きる場所と時間
・入社した一人について、揃った項目の数と記録された日付の差が縮むか
・点呼の画面で未了を見た回数が増えるか
UX課題 2 入力した内容がどう返ってくるか
・未了の項目が入力される割合が、紙の記録簿の空欄の割合より高くなるか
・猶予の内側で済む割合が上がるか
二つを選ぶ理由
なぜこの二つか
・6社に共通する中心の課題、つまり揃っているかを乗せる前に確かめる仕組みが無いことは、機能を作っただけでは埋まらない
1作った機能が開かれる場所と時間の問題
2開かれた機能に真実が入るかどうかの問題
・この二つが解けていなければ、未了の一覧も猶予の通知も、紙の手帳と後埋めに負ける
・ロジポケが点呼と日報の画面を持ち、コンプライアンスという看板を持っているからこそ、UXデザイナーがUXの側から取り組める課題になる